研究概要 |
1.インヒビンを精製したサイドフラクションから卵胞液1Lあたりフォリスタチン(FS)とアクチビンA,AB,Bはそれぞれ8.3,1.4,0.8、0.35mgずつ精製することが出来た。 2.FSはさらにヘパリンに抗親和性と低親和性の2分画に分離することが出来た。 3.還元状態でSDS-PAGEを行うとFSは20kDAと25kDaの2つのバンドに分離されたことから、分子内にニックがあることが示唆された。 4.培養下垂体細胞と顆粒層細胞を用いて、アクチビンとフォリスタチンの生物活性を調べた。FSHの分泌促進活性、GHの分泌抑制活性はアクチビンA>AB>Bの順であった。 5.アクチビン結合蛋白質であるFSをアクチビンと共に添加すると、FSHの基礎分泌量と低濃度のアクチビン活性は抑制されたが、高濃度のアクチビン活性はさらに促進された。 6.アクチビンは顆粒層細胞に作用し、インヒビンの分泌を促進するが、その活性の強さは、FSH分泌促進作用と同様にアクチビンAが最も強い作用を持っていた。エストラジオール、プロジェステロン分泌作用に対しては3つのアクチビンと同様の活性を持っていた。
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