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2000 年度 実績報告書

カニクイザルを用いたイタイイタイ病の実験的再現

研究課題

研究課題/領域番号 10460136
研究機関北海道大学

研究代表者

梅村 孝司  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00151936)

キーワードイタイイタイ病 / カドミウム中毒 / 骨軟化症 / カドミウム骨症 / 尿細管腎症 / 腎性貧血 / カニクイザル
研究概要

イタイイタイ病では尿細管腎症、腎性貧血、および骨粗鬆症を伴った骨軟化症が発生し、これらの病理所見、とりわけ骨軟化症が患者認定の重要な基準となっている。しかし、カドミウムの実験的投与によってこれらの病変を再現した研究報告はなく、イタイイタイ病発見から半世紀経った今も、腎症、貧血、骨軟化症の発生メカニズムは不明である。このため、未だにイタイイタイ病の直接的原因はビタミンD欠乏症であると主張する研究者がいる一方、本症のより合理的な認定基準の策定や有効な治療法の開発が進展していない。
申請者は、ヒトのイタイイタイ病のほとんどは閉経後の女性に発生すること、動物の消化管粘膜からのカドミウム吸収率は極めて低いことから、去勢雌にカドミウムを長期間静脈内投与することによって動物モデルを作製しようと考え、最初にラット、ついで本研究費を得てカニクイザルを用いてイタイイタイ病の再現実験を行った。その結果、去勢カニクイザルに15カ月間にわたって塩化カドミウムを静脈内投与することにより、イタイイタイ病と同質の尿細管腎症、腎性貧血および骨軟化症を再現することが出来た。
このカニクイザルモデルに関し、平成12年8月23〜25日に富山医科薬科大学においてイタイイタイ病、骨および腎臓疾患を専門とする医学研究者の検討会が開かれ、ヒトのイタイイタイ病に極めて類似した病変・病態が動物で初めて再現されたことが確認された。また、この研究成果を平成12年9月19〜22日にオランダ・アムステルダムで開催された第13回ヨーロッパ獣医病理学会で発表したところ、大会賞を受賞した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kurata Y.: "Intravenous lα, 25 [OH] 2 Vitamin D3 (calcitriol) pulse therapy for bone lesions in a murine model of chronic cadmium toxicosis"International Journal of Experimental Pathology. 81. 1-12 (2001)

  • [文献書誌] 梅村孝司: "卵巣摘出カニクイザルを用いた慢性カドミウム中毒症モデルの作出"環境保健レポート. 67. 205-210 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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