研究課題/領域番号 |
10460139
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土井 邦雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70155612)
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研究分担者 |
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
小野 憲一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50111480)
唐木 英明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)
上塚 浩司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60251419)
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キーワード | WBN / ILA-Ht rat / T-2 toxin / basal cell apoptosis / IQI / Jic mouse / picryl chloride / contact dermatitis |
研究概要 |
紫外線や環境化学物質の皮膚障害性を的確に評価するには、先ず適切な試験系の開発ないし探索が重要で、本研究を通じて、実験用ヘアレス犬、遺伝的貧毛形質を有するWBN/ILA-Htラット等の有用性を明らかにしてきた。本年度はWBN/ILA-Htラットを用いてマイコトキシン(T-2toxin)の皮膚障害性とその発現機序を明らかにするとともに、化学物質による接触皮膚炎の評価・解析系としてのIQI/Jicマウスの有用性について検討した。 1.T-2toxinによる皮膚障害 T-2toxinを塗布したWBN/ILA-Htラットの背部皮膚では、表皮における細胞増殖活性の低下に続いて主として表皮基底細胞のアポトーシスが発現し、真皮では炎症細胞浸潤と毛細血管内皮細胞の傷害がみられた。また、表皮基底細胞のアポトーシスには、既知のアポトーシス関連遺伝子であるc-fosの発現に加えて、TNF-αおよびTGF-β1が深く関与していることが明らかになった。 2.Picryl chlorideによる接触性皮膚炎 IQI/Jicマウスでは他系統のマウスと比べ、Picryl chlorideによる接触皮膚炎が高頻度かつ高度に誘発できた。病変部では、mast cell,CD4-positive cellおよびMHC class-positive cellの浸潤が目立ち、血中IgEレベルの上昇が観察された。I QI/Jicマウスは環境化学物質による免疫介在性皮膚炎の検索に有用な試験系であることが示された。 現在、本科研費に係わる3ヶ年間の研究成果を纏めているところである。
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