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2000 年度 実績報告書

アデノウイルスベクターによる損傷に起因する神経細胞死の防御

研究課題

研究課題/領域番号 10470001
研究機関旭川医科大学

研究代表者

木山 博資  旭川医科大学, 医学部, 教授 (00192021)

キーワード神経細胞死防御 / 細胞内情報伝達系 / TC10 / GDNF / 舌下神経 / 軸索伸展 / 神経再生 / 遺伝子導入
研究概要

昨年度までに確立したアデノウイルスベクターを用いた遺伝子の神経細胞への導入システムを用い、いくつかの新規遺伝子の神経再生に関する機能解析を行った。
(1)神経軸索伸展分子の可能性があるTC10について解析をおこなった。TC10を発現するアデノウイルスを構築し、神経系の細胞味に発現させ、軸索伸展について解析した。TC10を発現したPC12細胞には神経成長円錐様の構造が見られた。また、後根神経節などの組織培養系においてもTC10をアデノウイルスを用いて過剰発現させてやると、明らかな神経突起伸展作用が認められた。TC10は運動神経再生時に発現が亢進し、上述のような機能が存在することから。神経再生時に神経突起の伸展に作用する分子であると考えられた。
(2)運動神経の生存活性の高い神経栄養因子であるGDNFについて、リガンドとその受容体との発現相関の重要性について検討した。運動神経損傷時に、GDNF受容体アルファー鎖が神経損傷に応答しないときに神経細胞死が見られるので、この受容体の発現をアデノウイルスで補うことによって神経細胞死が回避できないかを検討した。その結果、GDNF受容体アルファー鎖を損傷運動ニューロンに特異的に発現させるてやることで、リガンドであるGDNFを投与せずとも細胞死を防御できることが明らかになった。
以上の結果より、本研究で我々が開発したアデノウイルスベクターを用いて、運動ニューロンの神経細胞死は回避させうることを、実験動物を用いて明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Matsuzaki H: "Activation of Akt kinase Inhibits apoptosis and changes in Bcl-2 and Bax expressin Induced by nitric oxide in primary hippocampal neurons."J.Neurochem. 73. 2037-2046 (1999)

  • [文献書誌] Namikawa K: "Akt/Protein kinase B prevents injury-induced motor neuron death and accelerates axonal regeneration."J.Neurosci.. 20. 2875-2886 (2000)

  • [文献書誌] Takano R: "Nerve growth factor protects oligodendrocytes from TNF-a-induced injury through Akt-mediated signaling mechanisms."J Biol Chem. 275. 16360-16365 (2000)

  • [文献書誌] Yamaguchi A: "Akt activation protects hippocampal neurons from apoptosis by inhibiting transcriptional activity of p53."J Biol Chem. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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