研究課題/領域番号 |
10470005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井出 千束 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
藤本 和 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50159125)
溝口 明 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90181916)
川口 三郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70024635)
野田 享 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50156204)
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キーワード | 上衣細胞 / 脈絡叢 / 脊髄 / 神経再生 / 移植 |
研究概要 |
I.(a)成熟ラットの第4脳室脈絡叢を細切して同系ラットの後索(C2)に移植した。移植3-7日で上衣細胞は基底膜から離れる傾向にあり、細胞表面に再生軸索が接しながら伸長した。上衣細胞をあらかじめDiIで標識して移植した個体で調べると、移植後1ヶ月でも再生軸索は上衣細胞に支持されて伸びていることがわかった。HRPの経神経節標識で、移植8-9ヶ月で無数の再生軸索が移植部に伸びていた。しかし、損傷部を越えて宿主側に入る再生軸索は極く僅かであった。損傷部―宿主境界部にバリアーがあることが中枢神経再生の大きな問題である。 (b)上衣細胞と後根神経節ニューロンの共培養で、脈絡叢上衣細胞には神経突起の伸長促進作用があることが明らかとなった。 (c)免疫組織化学的に脈絡叢上衣細胞がNGF,BDNF,N-cadherin,NCAMなどの活性因子を発現していることが明らかとなった。 (d)GFDトランスジェニックマウスの脈絡叢上衣細胞の移植によって上衣細胞がアストロサイトに分化することが明らかとなった。 II.ニューレグリンやbFGFの投与については、はっきりした結果を得ることができなかった。ただNT-3などを分泌する線維芽細胞の移植では、損傷部―宿主移行部を越えて伸びる再生軸索があることから栄養因子が重要な働きをしていると考えられる。
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