研究概要 |
本研究は細胞間コミュニケーションを担うギャップ結合のうちコネクシン(Cx)32が如何なる過程で形成されるのか,と言うことをラットを用いてin vivo及びin vitroの系で明らかにすることを目的とした.その方法として既に作製,報告したCx32の細胞質内エピトープを認識する単クローン性抗体HAM8と,現在作製中の細胞外エピトープを認識する単クローン性抗体(HAM12)を用いて解析中である. 1. 科学研究費の補助金でバイオクリーンベンチ,炭酸ガス培養器,遠心器を購入してHAM8抗体産生細胞の培養維持を行っている.またHAM12抗体を得るためCx32の細胞外ペプチドを合成し,それを抗原にマウスを免疫後血清を採取し,ドットブロット法でアツセイすると強い陽性反応を示した.しかしその血清は組織では反応を示さず難航し,細胞融合にまでは至っていない. 2. ラット肝細胞のin vitroにおけるCx32形成過程の解析ではラットの遊離肝細胞を得る技術は既に確立され,また科学研究費の補助金で購入したマイクロマニュブレーターを備えた倒立型・微分干渉蛍光顕微鏡で観察している.しかし予算面で3CCDカメラシステムが購入できず画像記録にまでは至っていない. 3. ラット肝細胞のin vivoにおけるCx32形成過程の解析ではHAM8抗体産生細胞をマウスに注射し,腹水型HAM8抗体を得た後IgGに精製した.その抗体をラットに静注し,経時的に摘出後凍結切片を作製し,二次抗体のみで染色後,共同利用機器の共焦点レーザー顕微鏡で観察した.その結果は科学研究費の補助金で購入したパソコンで解析している.
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