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1999 年度 実績報告書

Ca^<2+>オシレーション誘発蛋白質の同定と作用機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10470011
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

宮崎 俊一  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80010081)

研究分担者 毛利 達磨  東京女子医科大学, 医学部・生理学研究所・細胞内代謝部門, 助手 (60290912)
淡路 健雄  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60297546)
尾田 正二  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50266714)
キーワード細胞内カルシウムイオン / カルシウムオシレーション / 哺乳動物卵 / 受精 / 精子蛋白質 / 卵活性化
研究概要

細胞内カルシウムイオン(Ca^<2+>)は種々の細胞機能を制御する重要な因子である.種々の細胞で刺激に際して反復性のCa^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)上昇(Ca^<2+>オシレーション)が観察される。我々は哺乳動物卵受精時にCa^<2+>オシレーションが発生することを見いだした。その誘発蛋白質(Ca^<2+> oscillation-inducing protein;COIP)は即ち卵活性化因子であるので,その同定は細胞生理学・発生生物学上極めて重要である.本研究は精子からのCOIPの精製・同定と、作用機序を明らかにすることを目的としている.平成11年度には以下の結果を得た.
1)ハムスター精子抽出物を硫安処理,アフィニティークロマト,イオンクロマにかけてCOIPを精製し,終末アミノ酸配列を同定した.これをもとにCOIP候補のcDNAクローニングを行い、得られたcDNAをベクターに組み込んで大腸菌に発現させた。合成蛋白をマウス卵に注入し、Ca^<2+>オシレーション誘発活性を調べた。しかしこの蛋白単独では活性を示さず、別の因子の共同作用が必要と考えられ、その因子を探索中である。
2)得られたCOIPが受精時に機能しているか確認するためには、受精時[Ca^<2+>]_i増加反応と比較することが必要である。マウス卵受精時のCa^<2+>オシレーションの個々の[Ca^<2+>]_i上昇を、時・空間的に詳細に画像解析した(Developmental Biology発表)。
3)マウス精子を卵内に直接注入し、約30分後にCa^<2+>オシレーションが起こることを観察し、受精時の場合と同様の解析を行った(Cell Calcium発表)。
4)表面分子CD9ノックアウトマウスで精子-卵融合不全を発見した(Nature Genetics発表).

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Oda,S.,Deguchi,R.,Mohri,T.,Shikano,T.,Nakanishi,S. and Miyazaki,S.: "Spatiotemporal dynamics of the [Ca^<2+>]_i rise induced by microinjection of sperm extract into the mouse egg: preferential induction of a Ca^<2+> wave from the cortex"Developmental Biology. 209. 172-185 (1999)

  • [文献書誌] Sakurai,A.,Oda,S.,Kwabara,Y. and Miyazaki,S.: "Fertilization, embryonic development, and offspring from mouse eggs injected with round spermatids combined with Ca^<2+> oscillation-inducing sperm factor"Molecular Human Reproduction. 5. 132-138 (1999)

  • [文献書誌] Sato,M.S.,Yoshitomo,M.,Tohri,T. and Miyazaki,S.: "Spatiotemporal analysis of [Ca^<2+>]_i rises in mouse eggs after intracytoplasmic injection (ICSI)"Cell Calcium. 26. 49-58 (1999)

  • [文献書誌] Deguchi,R.,Shirakawa,H.,Oda,S.,Mohri,T. and Miyazaki,S.: "Spatiotemporal analysis of Ca^<2+> waves in relation to the sperm entry site and animal-vegertal axis during Ca^<2+> oscillations in fertilized mouse eggs"Developmental Biology. 218. 299-313 (2000)

  • [文献書誌] Kaji,K.,Oda,S.,Shikano,T.,Ohnuki,T.Uematsu,Y.Sakagami,J.,Tada,N.Miyazaki,S. and Kudo,A.: "The gamete fusion process is defective in eggs of CD9-deficient mice"Nature Genetics. 24. 279-282 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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