研究課題/領域番号 |
10470013
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
重川 宗一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 部長 (00113738)
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研究分担者 |
岩本 隆宏 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (20300973)
若林 繁夫 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (70158583)
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キーワード | Na^+ / Ca^<2+>交換輸送体 / Na^+ / Ca^<2+>交換阻害薬 / Ca^<2+>シグナリング |
研究概要 |
昨年度の研究で、Na^+/Ca^<2+>交換輸送体のアイソフォーム(NCX1,NCX3)は、Ni^<2+>などの阻害イオンおよび我々が最近開発した選択的阻害薬KB-R7943、さらには、activatorであるLi^+に対して異なった親和性を持つことを明らかにし、両者のキメラ分子を用いた機能解析から、この親和性の変化が、下等動物を含め進化的に保存された40数個ずつのアミノ酸から成る分子内リピート構造(α-1、α-2 repeats)の少数のアミノ酸の差異によることを明らかにした。本年度の研究においては、輸送体分子の構造・機能相関を研究し、輸送体分子が、従来考えられていた12回膜貫通構造をとらず、9回膜貫通構造をとること、また、α-1、α-2リピート構造は、これまでイオン輸送体では知られていない大変ユニークな膜トポロジーをとることが明らかになった。すなわち、このα-1、α-2 repeat部分の膜貫通セグメントをつなぐループは、それぞれ細胞外側及び細胞内側から膜内に貫入して両者が立体的に"砂時計"様のユニークな構造をとることが強く示唆された。そこで、site-directed mutagenesisを用いてα-1、α-2 repeatのループ部分のアミノ酸の役割を詳しく検討した結果、この部分には、Ca^<2+>などの輸送イオン、Ni^<2+>などの阻害イオン、activatorであるLi^+、および、阻害薬KB-R7943などそれぞれに対する親和性を大きく変えるアミノ酸が同定された。従って、これらrepeatsのループ部分はこの輸送体のイオン輸送通路を形成する可能性が高い。
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