研究課題/領域番号 |
10470015
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
清水 宣明 金沢大学, 工学部, 教授 (50019634)
|
研究分担者 |
片渕 俊彦 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80177401)
林 良茂 金沢大学, 工学部, 教授 (60019750)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
キーワード | 拘束ストレス / 8-OH-DPAT / セロトニン / ノルアドレナリン / マイクロダイァリシス / 脾臓交感神経 / 視床下部 / 前頭前野 |
研究概要 |
情動や各種ホメオスタシス系を司る視床下部機能を神経生理学及び神経薬理学的研究から解析した。 (1)拘束ストレスによる摂食抑制とセロトニン系の賦活 拘束ストレス後の摂食抑制はセロトニン受容体阻害剤の前投与で有意に阻害でき、またセロトニン1A受容体のアゴニストである8-OH-DPAT前投与によっても有意に阻害できた。また拘束ストレスによって視床下部セロトニン放出が有意に増加するが、これも8-OH-DPATの前投与で阻害される。これらの結果は、拘束ストレスによってひきおこされる摂食抑制は、背側縫線核から視床下部へ至るセロトニン神経系の賦活に起因すると考えられる。 (2)拘束ストレス時の前頭前野ノルアドレナリン(NA)の動態 前頭前野において拘束ストレス時のNAの動態を解析した。その結果、拘束ストレスによって前頭前野NAの遊離は有意に増大し、これは背側NA束活動の亢進に起因する事が判明した。また拘束ストレスによるNAの遊離はCRF受容体の拮抗薬であるα-herical CRFおよびジアゼパムの拮抗薬であるflumazenilの前投与で有意に拮抗される。以上の結果は、拘束ストレスをはじめとする生体警告情報は前頭前野のNA系を賦活し、これらは脳内benzodiazepine系およびCRF系の活動によって修飾されている可能性を示唆する。 (3)拘束ストレスと脾臓交感神経終末からのNA遊離 拘束ストレスによっておこる脾臓のナチュラルキラー細胞活性の低下が、脾臓交感神経の活動亢進によることを明らかにした。この結果は脳・免疫連関における脾臓交感神経系の重要性を示唆する。さらにCRFの脳室内投与によって脾臓NAの有意な増加が認められ、IL-1βの腹腔内投与による脾臓NA増加がCRF受容体拮抗薬であるα-herical CRFの脳室内投与により拮抗される実験結果もストレス応答における脳・免疫連関の重要性を示唆する。
|