研究課題/領域番号 |
10470021
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
石井 邦明 山形大学, 医学部, 助教授 (10184459)
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研究分担者 |
細谷 幸雄 山形県立保健医療短期大学, 助教授 (10250945)
蓬田 伸一 山形大学, 医学部, 助手 (90250802)
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
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キーワード | K^+チャネル / チロシンキナーゼ / PYK2 / 共発現系 |
研究概要 |
イオンチャネルのリン酸化は、チャネルの機能ひいては細胞の活動に大きな影響を与える修飾機構のひとつであり、これまで、PKAやPKCなどのセリン/スレオニンキナーゼによってイオンチャネルがリン酸化を受け、その機能が修飾されることは良く研究されてきた。本研究は、チロシンキナーゼによるリン酸化がチャネル機能の修飾にどのように関与しているのかを明らかにすることを目的としている。1. まず、主要な課題として、これまでに電位依存性K^+チャネルの機能を修飾することが報告されているチロシンキナーゼ(PYK2)との相同性をもとに、心筋組織から新たなチロシンキナーゼをクローニングすることがあるが、その研究は難航しており、残念ながら新たな分子のクローニングには到っていない。平成11年度はこれまでの結果を踏まえた上で、全力で新規のチロシンキナーゼのクローニングを行う予定である。2. ヒト心筋の遅延整流型K^+チャネルクローンHergとヒトのエンドセリン受容体(ET_A、ET_B)をアフリカツメガエルの卵母細胞に同時に発現させ、受容体刺激によってHerg電流が影響されるかどうかを検討したが、顕著な影響は見られなかった。これは、G蛋白共役型受容体のシグナル伝達系とチロシンキナーゼとのクロストークを検討する前段階であるが、目的を達成するためには、他のチャネルや受容体の共発現を行う必要があると考えられたため、ヒトのβ受容体、KvLQT1などをRT-PCR法によってクローニングし、現在検討中である。また、Herg電流に特徴的な非常に速い不活性化と遅い脱活性化は、Hergが活動電位幅の決定に関与する上で非常に重要な性質であるが、このうち脱活性化のキネティクスが、G蛋白質共役型受容体の刺激によって影響を受けることが報告された。今後チャネルの修飾機構を調べる上で、より詳細なキネティクスに関する検討が必要と思われる。
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