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1998 年度 実績報告書

グリア細胞カリウムチャネルKir4.1/K_<AB>-2の分子機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10470023
研究機関大阪大学

研究代表者

堀尾 嘉幸  大阪大学, 医学部, 助教授 (30181530)

研究分担者 種本 雅之  大阪大学, 医学部, 助手 (40303945)
稲野辺 厚  大阪大学, 医学部, 助手 (00270851)
キーワード内向き整流性カリウムチャネル / カリウム / 水チャネル / PDZドメイン / 壁細胞 / グリア細胞 / バリウム / 胃酸
研究概要

内向き整流カリウムチャネル(Kirチャネル)は多種類のメンバーが存在するファミリーからなり、カリウムイオン(K^+)を選択的に透過させるチャネルである。一次構造上で、N末端、C末端ともに細胞質内にあって、膜貫通領域を2つ持っており、その間にチャネルポア(穴)を形成する主な領域となっているH5とよばれる互いに相同性の高い領域が存在している。Kirチャネルはこのサブユニットが4つ集まって1つのポアを作る4量体として存在している。その機能として、細胞静止膜電位を深める作用、静止膜電位を安定化させる作用、細胞の興奮を抑制する作用、K^+の輸送、インスリンの分泌など多彩な機能を持っている。このKirチャネルファミリーの1つであるKir4.1lK_<AB>-2について、既に脳や網膜グリア細胞に発現してPDZドメインを持ったSAP97と結合して存在していることを報告したが、免疫電顕の手法を用いて、網膜ではKir4.1/K_<AB>-2が水チャネルのAQP-4と共存していることを見い出した。このことは、以前よりK^+の輸送と水の輸送が協調的におこなわれているのではないかとされてきたが、実際もK^+と水の出入りが協調している可能性が高いことが判明した。さらに、Kir4.1/K_<AB>-2は胃の壁細胞に限局して発現していることをin situhybridization,Northern blot,Western blot,immunohistochemistryで確認し、また、このチャネルの阻害薬であるBa^<2+>が胃酸分泌を抑制すること、他の種類のKチャネルであるカルシウム依存性Kチャネルや電位依存性Kチャネルの阻害薬には酸分泌を抑制する作用がなかった。一方、パッチクランプ法によって胃壁細胞のKチャネルを測定し、壁細胞にはKirチャネルが発現しており、このチャネルの性質はKir4.1/K_<AB>-2にきわめて類似していることを見い出し、Kir4.1/K_<AB>-2が胃壁細胞に発現して、酸の分泌に直接関与していることを明らかとした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Toda Y et al.: "Inwardly rectifying K+ channel in retinal Muller cells:Comparison with the KAB-2/Kir4.1 channel expressed in HEK293T cells." Jpn.J.Physiol.48. 71-80 (1998)

  • [文献書誌] Mouri T et al.: "Assignment of mouse inwardly rectilying potassium channel Kcnj16 to the distal region of mouse chromosome 11." Genomics. 54. 181-182 (1998)

  • [文献書誌] Kondo C et al.: "Chimeras of Kir6.1 and Kir6.2 reveal structural elements involved in spontaneous opening and unitary conductance of the ATP-sensitive K+ channels." Receptors & Channels. 6. 129-140 (1998)

  • [文献書誌] Inanobe A et al.: "Splicing variants of Kir3.2 are assembled but play distinct functional roles in the G protein-gated K+ channel of the substantia nigra." J.Neurosci.19. 1006-1017 (1998)

  • [文献書誌] Yoshimoto Y et al.: "Somatostatin induces hyperpolarization in pancreatic islet α cells by activating a G protein-gated K+ channel." FEBS Lett.444. 265-269 (1999)

  • [文献書誌] Nagelhus EA et al.: "Immunogold evidence suggests that coupling of K+ siphoning and water transport in rat retinal muller cells is mediated by a coenrichment of Kir4.1 and AQP4 in specific membrane domains." Glia. (in press).

  • [文献書誌] Kurachi et al.: "Potassium Channels:Molecular Structure,Function,and Diseases.(in press)" Academic Press,

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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