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1998 年度 実績報告書

平滑筋臓器の機能分化とその分子的背景

研究課題

研究課題/領域番号 10470025
研究種目

基盤研究(B)

研究機関熊本大学

研究代表者

西 勝英  熊本大学, 医学部, 教授 (00040220)

研究分担者 徳冨 芳子  熊本大学, 医学部, 助手 (90253723)
徳冨 直史  熊本大学, 医学部, 助教授 (30227582)
キーワードリアノジン受容体 / イノシトール三燐酸受容体 / Ca^<2+>放出機構 / マウス膀胱平滑筋 / 細胞内Ca濃度 / カフェイン・カルバコール応答 / TEA感受性Ca^<2+>活性化K^+電流 / Ca^<2+>貯蔵部位
研究概要

リアノジン受容体とイノシトール三燐酸受容体(リアノジン非感受性受容体)のCa^<2+>放出機構の特性と相互作用は平滑筋機能の実行のみならず、その臓器特異性や種特異性の起源に関わる重要な問題である。今回両受容体遺伝情報の解析において使用されているマウス標本を用いてカフェイン(CAF)応答とカルバコール(CCh)応答の特性と相互作用について検討した。実験にはBALB/cマウス膀胱平滑筋を用い、単離細胞のニスタチン穿孔パッチクランプ法によるCa^<2+>活性化K^+電流測定とfura2レシオメトリーによる細胞内Ca濃度([Ca^<2+>]i)測定および膀胱切片の収縮測定を行なった。CAF、CChともに特異的な発生パターンのTEA感受性Ca^<2+>活性化K^+電流(I_<CAF>とI_<CCh>)を用量依存性に発生させた。I_<CAF>は外液Ca^<2+>への依存度が高く、ニカルジピン(10^<-6>M)投与や外液Ca^<2+>除去に速やかに応じて消失したが、I_<CCh>はそれらの処置に抵抗性を示した。リアノジン(10^<-6>M)はI_<CAF>のみを消失させたがタプシガルギン(10^<-6>M)はI_<CAF>とI_<CCh>両電流ともに消失させた。I_<CAF>とI_<CCh>は部分的な相互抑制を示した。上記電流測定で得られたCAF応答とCCh応答の特性と相互作用は[Ca^<2+>]i測定でも同様に観察された。一方収縮測定ではCChのみ高濃度(100mM)K^+に類似した収縮応答を示し、CAFでは他の平滑筋標本と同じく収縮応答は惹起されなかったが、CAF前処置によりCCh収縮は強く抑制された。以上より二つのCa^<2+>放出はそれぞれ独立した特性を有しつつ、互いに影響し合うことが示された。両者間の相互作用にCa^<2+>貯蔵部位のオーバーラップがどの程度関与するのか現在検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Z.F Lai and Nishi,K.: "Intracellular chloride activity increases in guinea pig ventricular muscle during simulated ischemia." Am.J.Physiol.(Heart Circ.Physiol.44). 275. H1613-H1619 (1998)

  • [文献書誌] J.Liu,Z.F Lai,X.D Wang,N.Tokutomi and K,Nishi.: "Inhibition of sodium Current by chloride channel blocker 4,4'- Diisothiocyanatosilbene-2,2'- Disulfonic Acid(DIDS) in guinea pig cardiac ventricular cells." J.Cardiovasc.Pharmacol.31. 558-567 (1998)

  • [文献書誌] Sugita.M,Tokutomi.M,Tokutomi.Y.,Terasaki.H. And Nishi,K.: "The properties of caffein- and carbachol- induced intracellular Ca^<2+> release in mouse bladder smooth muscle cells." Euro.J.Pharmacol.348. 61-70 (1998)

  • [文献書誌] Fujii,T.,Tokutomi,N.,Hirata,A,.,Negisi,A.,and Nishi,K.: "Cytoplasmic Ca2+mobilization and Ca2+-dependent membrane currents in dispersed bovine ciliary muscle cells." Curr.Eye Res.16. 436-444 (1997)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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