研究課題/領域番号 |
10470028
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清木 元治 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10154634)
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研究分担者 |
伊藤 義文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70292852)
岡田 明子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00233320)
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キーワード | マトリックスメタロプロテアーゼ / 膜型酵素 / がんの浸潤・転移 / MT4-MMP / 細胞外基質分解酵素 |
研究概要 |
これまでに膜型マトリックスメタロプロテアーゼとして4種類が報告されている。その中で4番目の酵素の遺伝子は5'領域にシグナルペプチドをコードする領域を欠き、代わりに非翻訳領域を持っている。スペインの報告者のグループは複数のクローンを解析した結果、cDNAライブラリーに存在するのは、この遺伝子がほとんどで、これがMT4-MMPの遺伝子であると結論していた。我々は、マウスMT4-MMP遺伝子のCDNAクローニングにより、MT4-MMPが他のMMPと同様に、シグナルペプチドを含むプレプロ蛋白質として発現される可能性を遺伝子の解析によって示した。実際に、これまでのヒト遺伝子はトランスフェクションによって蛋白質を発現できないが、マウスMT4-MMP遺伝子からは相当する酵素が発現しうることを確認した。そこで、ヒト遺伝子のcDNAライブラリーには、マウス遺伝子に相当するものが含まれているかどうかを改めて検索した。しかし、単離できたものはスペインのグループによる遺伝子と同一の5'領域を持つものか、それよりも短いcDNA断片であった。そこで、ヒト遺伝子の51領域を5'RACE法にて更に解析した。その結果、マウス遺伝子の5'上流に相同性を持つ断片が単離できた。このフラグメントを用いて再構成したヒト遺伝子のcDNAは遺伝子産物を発現できることを確認した。
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