1、本研究開始後に、膜型マトリックスメタロプロテアーゼとして4種類が報告されてた。我々は、報告されていた4番目の酵素(MT4-MMP)の遺伝子が酵素を発現できない不完全な転写産物に由来することを示し、完全な遺伝子をコードするヒト及びマウスのcDNAの全長を報告した。 2、新たに同定された完全長のMT-4MMPを他の4種類のMT-MMPsと比較すると、アミノ酸の相同性が他のメンバーに比べて低いことから、独自の機能を持つことが予想された。特に、カルボキシ末端の相違に着目して、MT4-MMPがMMPとしては始めてのGlycosyl Phosphatidil Inositol(GPI)を介した膜結合蛋白であることを示した。 3、5番目の膜型マトリックスメタロプロテアーゼとしてMT5-MMPを同定した。遺伝子はマウスの脳およびヒト膵臓からのcDNAライブラリーから、MT3-MMP遺伝子のホモローグとして単離した。他のMT-MMPと比較して小脳に特異的な発現を示すことから、中枢神経系の発生、構築及び維持に関与する可能性が示された。
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