研究課題/領域番号 |
10470032
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
蛯名 洋介 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)
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研究分担者 |
湯浅 智之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50304556)
岸 和弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (70284320)
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キーワード | インスリン / GLUT4トランスロケーション / Akt / ARF6 / PDGF / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
インスリンにより活性化されたPI3-キナーゼはその先どのような分子メカニズムでGLUT4のトランスロケーションを引き起こすのか、明らかにすることを目的とする。 1) 最近PI3-キナーゼのターゲットとしてAkt(Protein Kinase B)が新しく報告された。そこで我々が開発したGLUT4のトランスロケーションを測定できる細胞系にcDNAを介してnormal Aktまたはdominant negative Aktを大量に安定に発現させた細胞を確立した。現在、その細胞をインスリン刺激することによりGLUT4のトランスロケーションが起こるか否かを検討している。 2) GLUT4のトランスロケーションはGLUT4が存在している細胞内膜分画が細胞表面上に移行し、細胞膜と融合することによりGLUT4が細胞表面上に出現してグルコースを細胞内へ取り込む。このメカニズムは小胞輸送と類似している。ARF6が小胞輸送に関係していることが報告されているので、我々のGLUT4mycの細胞系に各種変異ARF6を安定に発現させ細胞を確立した。インスリン刺激によるGLUT4のトランスロケーションがどのような影響を受けるかを検討している。 3) 培養細胞レベルでPDGFもPI3-キナーゼを活性化してGLUT4のトランスロケーションを引き起こすが、生体にPDGFを投与しても血糖値は下がらない。これはインスリン最大の標的組織である骨格筋には、GLUT4とそのシグナル伝達因子は存在しているが、PDGFレセプターが発現していないためであると考える。そこでトランスジェニックの手法で骨格筋にPDGFレセプターを発現させることにより、PDGF投与により血糖値降下作用を表すインスリンシグナル伝達転換マウスを作製中である。
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