研究課題/領域番号 |
10470036
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
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研究分担者 |
安元 研一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90241629)
高橋 和広 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80241628)
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キーワード | メラノサイト / 網膜 / 転写因子 / チロシナーゼ / 細胞分化 / メラニン |
研究概要 |
1.ヒ卜小眼球症関連転写因子(MITF)にはアミノ末端領域のみが異なるアイソフォームが複数存在する(A、H、B、M型)。同遺伝子の構造解析により、各アイソフォームに特異的なエクソン1はそれぞれ固有のプロモーターの制御下にあることを明らかにした(5'側からA、H、B、Mプロモーターの順番に存在)。すなわち、各プロモーター領域の機能を、起源の異なる3種の培養細胞(メラノーマ、網膜色素上皮細胞(RPE)、子宮頚がん)での一時的発現法にて解析した。その結果、Aプロモーターはこれらの細胞すべてで効率よく機能し、HプロモーターはRPE細胞で、Mプロモーターはメラノーマ細胞でのみ機能した。なお、使用した約2kbの5'上流領域では、有意なBプロモーター活性を検出できなかった。 2.Mitf変異マウスblack-eyed white(bw)(眼は正常だが白毛と難聴を呈する)の本態が、イントロン3(共通のエクソン3の下流)内へのDNA断片の挿入であることを明らかにした。同マウスではメラノサイトが欠損し、Mitf-Mの発現は全く検出されないのに対し、Mitf-AとMitf-H mRNAsの発現は検出された。よって、Mitf-Mの発現はメラノサイトの分化に必須であるが、RPEの分化には必須ではないことが確認された。 3.MITF-MはLef-1と協調的に作用してメラノブラストマーカーであるTRP-2の遺伝子プロモーターを活性化することを明らかにした。なお、Lef-1はWntからの細胞外シグナルをβ-cateninを介して制御する転写因子である。 4.新規アイソフォームMITF-Cを発見した。MITF-CmRNAは種々の組織、培養細胞で発現されるが、メラノサイトとメラノーマ細胞では検出できなかった。すなわち、MITF-Mの発現と相互排除的に制御されている可能性が示唆される。
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