研究課題/領域番号 |
10470045
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
名倉 宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90022821)
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研究分担者 |
鈴木 貴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10261629)
笹野 公伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50187142)
大谷 明夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30133987)
本郷 道夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60133948)
佐々木 巌 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
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キーワード | 粘膜免疫機構 / 神経・内分泌系 / 11-HDS / CRF / ウロコルチン / 過敏性腸症候群 / マクロファージ / 腸管粘膜上皮細胞 |
研究概要 |
今日までに蓄積した我々の粘膜免疫系と神経・内分泌に関する豊富な分析的研究成果の上にたち、両系の連携に基づいた粘膜組織での生体調節のしくみとその破綻に許ずく病態の解明を行うことを目的に、本研究は企画された。 さまざまな内分泌関連物質の発現が消化管において報告されてきており、消化管の免疫機能を含めた諸機能の内分泌的制御が注目されつつある。本研究では、ヒト消化管における11β-Hydroxysteroiddehydrogenase type 2(11βHDS2)、ミネラルコルチコイドレセプター及びcorticotropin-releasinghormonle(CRH)ファミリーに属すurocortinの発現について検討した。前二者はすでに胎生11週から消化管上皮細胞に出現し、粘膜固有層のマクロファージにも発現していた。水分吸収や粘膜免疫といった消化管の重要な機能が、発達のごく初期から神経内分泌的制御を受けている可能性が今回の実験から示された。 過敏性腸症候群(IBS)がまた、腸管は情動ストレスあるいは視床下部からのCRHの直接作用で異常腸管運動をきたすことが知られているが、それは消化管における粘膜免疫によるバリア機能の破綻によることが明らかになった。すなわち、IBSの大腸粘膜において、マクロファージバリアが破綻し、好酸球が増加しているという本研究の結果は、そこではTh1/Th2バランスがTh2優位型の微小炎症が存在することを示唆している。
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