研究課題/領域番号 |
10470046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
渡辺 照男 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40037396)
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研究分担者 |
下釜 達朗 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50170999)
范 江霖 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60272192)
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キーワード | リポ蛋白(a) / アポ蛋白(a) / トランスジェニックウサギ / 動脈硬化 / 脂質代謝 / リポ蛋白代謝 / 動物モデル |
研究概要 |
ヒトアポ蛋白(a)高発現トランスジェニックウサギ(TGウサギ)の作製と既に作製されているTGウサギfounder line(A01 line)を交配しF1ウサギを作製し、得られたF1ウサギの解析とコレステロール食投与の影響を検討した。ヒトアポ蛋白(a)遺伝子導入受精卵の卵管移植により、これまでに93羽の子ウサギが生まれ、そのうち11羽がTGウサギであった。9羽のうち3羽はすぐに死亡し、5羽には血清中にアポ蛋白(a)の発現はなかったが、残りの3羽には血清中にそれぞれ〜1.8mg/dl(A01 line)、〜3.4mg/dl(A46 line)、〜4.5mg/dl(A47 line)の発現がELISAにより確認された。A01 lineのF1ならびにF2TGウサギを使用し、次の結果を得た。ヒトアポ蛋白mRNAは主として肝臓と腎臓に発現していた。肝では肝細胞に発現していることを免疫染色並びにin situ hybridizationにより確認した。血清中ではヒトアポ蛋白(a)はヒトと同様にpre-β部位に泳動した。マウスでの報告と異なり、80%のアポ(a)は血清中でLDLと結合し、ヒトにおけると同様にリポ蛋白(a)を形成していることが判明した。繁殖をくり返し、複数のTGウサギを得ることができたので、コレステロール食で飼育し、大動脈並びに冠状動脈について病理学的に検索したところ、初期ではほぼ正常に見える内膜の内皮細胞下に、脂肪班やプラークなどの動脈硬化巣では病変部の細胞外基質に一致したアポ(a)の沈着が見られた。現在、大動脈並びに冠状動脈における病変発生の程度や分布について画像解析装置などを使用して検索中である。
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