研究課題/領域番号 |
10470049
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
林 祥剛 神戸大学, 医学部, 助教授 (50189669)
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研究分担者 |
的崎 尚 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (80252782)
佐野 公彦 神戸大学, 医学部, 講師 (40205993)
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キーワード | Liver / HNF-1 / HNF-4 / Transcription / HCC / Stem cell / Pathology / Histology |
研究概要 |
臨床的予後や生物学的なbehaviourと直結する肝細胞癌の組織分化度を支配する肝臓高発現転写因子HNF-1αとHNF-4の存在を明らかにした。これらの働きを明瞭にするために臨床的予後や生物学的なbehaviourと直結する肝細胞癌の組織分化度を支配するシグナル伝達にかかわるmoleculeの検索を行った。肝細胞癌組織の検索の結果、チロシンキナーゼ系を介した細胞増殖や発癌過程に重要な役割を担うリン酸化チロシンを脱リン酸化するプロテインチロシンフォスファターゼ(以下PTP)の一つ受容体型PTPであるSAP-1が高分化から中、低分化へと分化度が低下するにつれ明らかに発現低下のあることを明らかにした。また未分化型肝癌細胞株HIFにSAP-1を導入し、形質変化について検討したところ、SAP-1は肝癌細胞株HLFにおいて、SAP-1導入未分化型肝癌細胞株HLFでは、細胞増殖速度の鈍化、細胞外基質蛋白に対する接着能の増加、遊走能の低下を認めた。接着、遊走能といった形質に関係し、SAP-1導入株ではこれら形質が変化したことから、SAP-1導入株ではmalignant potentialが低下している可能性が示唆された(プロテインチロシンフォスファターゼSAP-1の肝癌における検討。プレナリーセッション5第4回日本肝臓学会大会、神戸、平成12年10月25日)。今後SAP-1と肝細胞分化にかかわる因子との関係を明らかにしていく。またラット肝幹細胞を作成し、骨髄幹細胞を収集し、ひと肝幹細胞のモデルとして未分化肝細胞株から胆管細胞癌および肝細胞癌に分化する細胞株を用いて、骨髄幹細胞から肝幹細胞への分化、ひと肝幹細胞のcharacterizationにつとめている。
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