研究課題/領域番号 |
10470056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
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研究分担者 |
岩井 建志 名古屋大学, 医学部, 講師 (50270989)
河野 隆志 国立がんセンター, 研究所, 研究員 (80280783)
田中 正光 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20291396)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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キーワード | 癌 / 遺伝子多型 / 疾患感受性 / 胃 / 肺 / 染色体不安定性 / P450 / 修復酵素 |
研究概要 |
肺癌、胃癌の症例対照DNAを解析することにより、CYP1A1のIlw-Val多型が、肺の扁平上皮癌や小細胞癌の発症リスクに関係すること、OGG1のSer-Cys多型が扁平上皮癌の発症にやや有意に関連すること、CYP2E1のRsaI variant typeは、肉食歴をマッチさせると、胃癌のリスクを低下する傾向があること、中国の一部などアリウム属の植物(にんにくなど)の食餌歴をマッチさせてもOGG1と遺伝環境相関をするのは、喫煙だけであったことを明らかにした。GsT null typeの寄与は、扁平上皮癌、小細胞癌で、CYP1A1のVal typeとの組み合わせで、いちじるしく高いリスクを呈するということがわかった。 さらに、胃癌の好発病変である慢性萎縮性胃炎にも遺伝的影響があり、すくなくともヘリコバクターピロリを感染した日本人ではIL-1bの多型と胃酸でしめされる胃炎の程度との関連がみとめられた。 このように、日本人胃癌の発生には、遺伝的要素がかかわっていることがわかったが、実際に、分離比分析を行っても、メンデルの法則にしたがって世代間に伝播されるなんらかのものと多要因が加わったかたちで説明がついた。 一方、これまで遺伝的要因として検出しえたのは、いずれもタバコに関連の強いといわれる組織型の肺癌であるが、腺癌のほうは、更に遺伝的感受性の視点からも再分類しうる。そのため、Na Pco-transporter type IIが肺胞のtype II肺胞上皮に発現することをあきらかにし,そのマーカーの肺癌や腺腫様過形成のときに増殖してくる上皮における局在を調べた。 環境要因の代表的な化学物質であるbenzopyreneが細胞にひきおこすシグナル分子の変化を検索した結果、PAK1とPIXがapoptosis pathwayへかかわることがわかった。
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