研究課題/領域番号 |
10470067
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
姫野 國祐 徳島大学, 医学部, 教授 (50112339)
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研究分担者 |
前川 洋一 徳島大学, 医学部, 助手 (10294670)
酒井 徹 徳島大学, 医学部, 助手 (40274196)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 熱ショック蛋白質 / マラリア原虫 / Plasmodium yoelii / 弱毒株と強毒株 / HSP90 / 原虫エスケープ / 日和見的HSP発現 / 宿主防御 |
研究概要 |
感染は病原体と宿主間の熾烈な凌ぎあいであり、双方ともあらゆる手段を尽くしてサーバイバルを計る。それ故感染は病原体、宿主の双方にとって激烈なストレスとなり、各々がそのサーバイバルのための基本戦略のためにHSPを利用していることが予想される。我々は、エスケープ機構の異なる種々の原虫感染の系を用いて、宿主防御及び原虫エスケープに係わるHSPの機能を解析し、以下のような結果が得られた。 1.宿主マクロファージへのHSP65の発現と宿主防御 1)弱毒株原虫が感染した場合あるいは、感染抵抗性マウスでは初期防御に働くγδ、NK、NKT細胞等の宿主免疫系が宿主マクロファージにHSP65を発現させることによりマクロファージ機能を亢進させ、防御免疫を成立させる。なお初期防御免疫系は、原虫の種類により大いに異なる。 2)一方強毒株感染マウスあるいは感受性マウスにおいては、原虫が宿主マクロファージでのHSP65の発現を阻止することによりエスケープする。 2.原虫自体へのHSPの発現(マラリア原虫の系) 1)弱毒株はHSP90の発現機構に欠陥があるため免疫能が正常なマウス内ではエスケープできない。 2)強毒株は感染抵抗能力を持つC57BL/6マウス等に感染した時には原虫自体にHSP90を発現してエスケープする。 3)全く抵抗性のないSCIDマウスやCD4^+T細胞欠如マウスではエスケープにHSP90の発現を必要としないと思われる。 今後、細胞内寄生性微生物のエスケープ機構と宿主防御免疫系による感染マクロファージへのHSP65の発現、および微生物自体へのHSPの発現とエスケープあるいは毒力との関連性に法則性があるのか否かを種々の微生物および種々の系統のマウスを用いてさらに解析していかなければならない。
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