研究概要 |
1)志賀毒素1型のAサブユニットとBサブユニットを発現する大腸菌クローンを作製しそれぞれのサブユニットを大量に産生させることができた。Aサブユニットはin vitroタンパク合成系を阻害した。両上澄を混合することによりベロ細胞に障害性をしめすホロ毒素を作ることができた。この成果はFEMS Microbiology Letterに発表した。 2)腸管出血性大腸菌O157:H-E32511/HSC株をマウスに胃内投与する感染モデルにおいて抗生物質の効果を検討した。その結果、norfloxacinが最も有効で、minocycline,kanamycinが次いで有効であったが、fosfomycinは無効であった。この結果はFEMS Immunology and Medical Microbiologyに発表した。 3)妊娠中のマウスにベロ毒素2型を投与し、妊娠、出産、分娩時期、分娩後の周産期行動に与える影響をみた。致死率は妊娠マウスと非妊娠マウスは全く同じであった。致死量以下の投与による影響については、妊娠5日目投与では胎児は血腫様となり稽留流産を示し、15日目の投与では通常の分娩が進行したが新生児を育てることができない母親マウスが高率に現れた。この結果はInfection and Immunityに発表した。
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