研究課題/領域番号 |
10470080
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
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研究分担者 |
武田 直和 国立感染症研究所, ウイルスII部, 室長 (90132894)
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (80186759)
浦沢 价子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90045378)
松浦 善治 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50157252)
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キーワード | ロタウイルス / バキュロウイルス / 感染防御 / ワクチン / 人工空粒子 / GFP遺伝子 / オステオポンチン / CTL |
研究概要 |
(1)バキュロウイルス発現系において、VP2とVP6の共発現で自己集合した精製ヒトロタウイルス人工空一重殻粒子VP2/VP6を抗原とし、大腸菌易熱性トキシン(LT)由来で毒性を著減した数種の変異型LT(mLT)を粘膜アジュバントとし、マウスに経鼻接種後得た脾臓細胞でCTL活性を測定すると、VP2/VP6のみでは活性が低いが、mLT-135で特に顕著なCTL活性を観察した。以前得られた、血清中および便中のIgG、IgA応答免疫での傾向、および免疫後マウス強毒株(EW)を経口投与し防御能と相関していた。マウス脾臓リンパ球からTh1(IFN-γ,IL-2)およびTh2(IL-4,IL-10)関連サイトカインをコードするmRNAの発現およびそれらサイトカインの産生も観察された。以上の結果、粘膜アジュバント、特に変異型LT-135との併用では、VP2/VP6人工空一重殻粒子が体液性、細胞性双方の免疫を顕著に誘導することが判明した。また、新たなサイトカインとして注目されているオステオポンチンに対するmRNAの産生もこの実験系で観察された。 (2)ロタウイルスのリバースジェネテックスの系の確立をめざし、以下の実験を行った。ワクチニアウイルスDIE株由来のDIs株にT7ポリメラーゼを導入したDIs-T7を利用し、T7プロモーターの下流に、増殖に必須ではないNSP1遺伝子の断片(A5株由来で長さの異なる数種)、ポリオウイルス由来IRES遺伝子、GFP遺伝子、D型肝炎リボザイム、T7ターミネーターを挿入した各種プラスミドを調製し、細胞内に導入し、ヘルパーウイルスとしてKU株を感染させ、GFP発現感染性粒子の分離を試みたが、まだ成功には到っていない。系の改良に努めている。
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