研究課題/領域番号 |
10470088
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
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研究分担者 |
平山 和雄 味の素株式会社, 中央研究所, 主席研究員
冨山 宏子 熊本大学, エイズ学研究センター, 助手 (50301370)
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キーワード | 細胞傷害性T細胞 / T細胞レセプター / HLAクラスI / ペプチド / 3次構造解析 |
研究概要 |
本研究は、細胞表面上のHLAクラスI分子が結合させているウイルス抗原由来のペプチドを明らかにし、そのうちどのペプチドがCTLエピトープになるかを明らかにする。また結晶を作製し、三次構造上の違いを明らかにする。 1.HIV-1感染細胞由来のHLAクラスI分子結合ペプチドの解析 昨年度作製した、721.221細胞株にHLA-B^*3501およびCD4遺伝子をtransfectionして得た細胞にHIV-1を感染させ、これからHLA-B^*3501を精製し、結合ペプチドを得た。現在そのペプチドの解析をおこなっている。 今後さらにHLA-B^*5101を発現させた細胞を用いて解析をおこなう予定である。 2.HIV-1 CTLエピトープ結合HLA-B^*5101結晶の解析 昨年度作製した2つのCTLエピトープ(LPPWAKEI,TAFTIPSI)を結合させたHLA-B^*5101の結晶のX線解析をおこなった。その結果他のHLAクラスI分子に結合しているペプチドと比べて、1番目と5番目のアミノ酸にユニークな性質が見られた。N末端では、水分子が仲介するために1番目の分子は溝から浮き上がった位置に有ることが明らかになった。この事からペプチドの1番目はTCRのリガンドになっていると考えられる。一方5番目のアミノ酸は深く溝に入り込んでおり、アンカーになっている可能性が考えられる。 今後この結晶構造をもとに、T細胞クローンを使ってTCRとHLA-B^*5101・ペプチドリガンドとの分子認識の解析をおこなう予定である。
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