研究課題/領域番号 |
10470090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
須田 貴司 金沢大学, がん研究所, 教授 (70250090)
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研究分担者 |
今村 龍 金沢大学, がん研究所, 助手 (10311680)
長田 重一 大阪大学, 医学部, 教授 (70114428)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | Fasリガンド / アポトーシス / T細胞 / GVHD / 抗Fasリガンド抗体 / 炎症 / カスパーゼ |
研究概要 |
1)新鮮ヒト抹消血T細胞は、抗Fas抗体で死なないことから、Fas刺激に非感受性であるとされてきた。しかし我々は、新鮮ヒト末梢血T細胞中のFas陽性分画は、可溶型Fasリガンドには非感受性であるが、膜型Fasリガンドにより傷害されることを見出した。興味深いことに、ヒト末梢血T細胞をいったんコンカナバリンAで活性化すると、抗Fas抗体、可溶型、膜型Fasリガンドのいずれにも感受性になった。この結果は、T細胞のFasリガンド感受性は活性化状態により変化することを示すと同時に、膜型と可溶型Fasリガンドは生体内で異なる役割を果たしている可能性を示唆する。 2)アロ骨髄細胞と脾細胞移植によるマウス急性致死性移植片対宿主病(GVHD)モデルにおいて、パーフォリンとFasリガンドが関与していること、致死性にはFasリガンドの関与が大きいことをアロ脾細胞のドナーとして、Fasリガンドの突然変異であるgldマウスおよびperforin遺伝子欠損マウスを用いることにより明らかにした。また、急性致死性GVHDを誘導したマウスに抗Fasリガンド中和抗体を投与することにより、著明な延命効果が得られた。 3)Fasリガンドが好中球に富む炎症細胞(腹腔浸出細胞)に対し、アポトーシスと同時にIL-1βconverting enazyme(ICE)非依存性にIL-1βの活性化と放出を誘導し、炎症を促進することを見出した。このFasリガンドの炎症誘導活性は膜型Fasリガンドにより媒介され、天然の可溶型Fasリガンドにはそのような活性は検出されなかった。
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