私達はDNA修復に関するgadd45遺伝子プロモーターの活性化物質を検索した結果、△12-プロスタグランディンJ_2や紫外線、及びケルセチンが活性化することを見いだした。この内、植物油に含まれる不飽和脂肪酸の代謝産物であるΔ12-プロスタグランディンJ_2について仔細に検討した結果、5-10μg/mlの濃度においてgadd45遺伝子をプロモーターレベル、mRNAレベルにおいて強く誘導することを見いだした。この現象はp53遺伝子が失活しているHeLa細胞やMG63細胞において見られたことからも、p53遺伝子非依存的であることが示唆された。さらに、プロモーター領域を検討した結果、p53結合領域を除いた領域に反応していることが明らかとなった。これらのことから△12-プロスタグランディンJ_2はp53遺伝子非依存的にgadd45をプロモーターレベルで活性化していることが明らかとなった。更に、G1期停止に関与するWAF1遺伝子を野菜に含まれるフラボノイドの一種であるフラボンがプロモーターレベルで活性化して、G1期停止を起こすことを見いだした。
|