研究課題/領域番号 |
10470098
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118924)
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研究分担者 |
中島 宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80217710)
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30265780)
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キーワード | 分子疫学 / 遺伝子多型 / 生活習慣病 / 高血圧 / 動脈硬化 |
研究概要 |
第二回健康調査を行った化学繊維工業会加盟11社800名の工場従業員のうち生活習慣病関連遺伝子の遺伝子診断実施に同意したものは2社120名であった。第二回健康調査は昨年12月にデータの収集を終え、現在、解析中である。また、遺伝子診断の実施に同意した120名の従業員の遺伝子多型についても現在解析中である。さらに、新たに健常者をリクルートし遺伝的素因および生活習慣が生活習慣病の危険因子へ及ぼす影響について時間-断面調査を行った。男性70名の参加が得られたが、彼らについて7日間の自記式食事調査、飲酒、喫煙、習慣的に行っている運動などのライフスタイルの調査、血液検査、尿検査、血圧測定、体脂肪率測定、頸動,脈エコー検査を行った。血液検査では末梢血検査、脂質を中心とした血液生化学検査を行った。尿検査としてはナトリウムおよびカリウムの24時間排泄量を行った。このほか、酸化ストレス指標としての尿中および白血球中8-hydroxydeoxyguanosineの測定を行った。まず、遺伝的素因としてのbeta3-adrenergic receptor(以下、B3AR)のTrp64Arg多型およびエネルギーの出納と肥満に関する諸指標との関連が検討された。BMI、体脂肪率、ウエストヒップ比の値ではTrp/Trp群とTrp/Arg群との間に差は見られなかった。BMIで層別化したエネルギー摂取量/所要量比では、わずかながらTrp/Arg群で低値を示す傾向がみられたが有意ではなかった。なお、これらの対象者については現在以下の遺伝子多型を解析中である。angiotensinogen遺伝子G-6A多型、M235T多型、apolipopoprptein B遺伝子Xbal多型、signal peptide insetion/deletion多型、variablenumber of tandemrepeat多型、apolipoprotein Al遺伝子Mspl多型、apolipoprotein Cll遺伝子Sstl多型、lipoprotein lipase遺伝子Hindlll多型、S447X多型、cholesteryl ester transfer protein遺伝子1405V多型、paraoxyonase遺伝子L55M多型、A192B多型、metylene tetrahydroforate reductase遺伝子C677T多型。
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