研究課題/領域番号 |
10470102
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
辻 一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20171994)
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研究分担者 |
今井 潤 東北大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (40133946)
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キーワード | 無症候性脳血管障害 / 遺伝子多型 / 高齢者 / 地域住民 / 24時間自由行動下血圧 / 家庭血圧 / 危険因子 / 循環器疫学 |
研究概要 |
地域在住の60歳以上の高齢者約400人に対し、各種調査(頭部MRI撮影・遺伝子多型検索・血液生化学パラメーター測定・24時間自由行動下血圧測定・家庭血圧測定・生活習慣アンケート等)を実施し、遺伝因子を中心とした無症候性脳血管障害の危険因子について以下の分析を行なった。 1.遺伝因子と脳血管障害との関連について (1)アンジオテンシン変換酵素(ACE)・アンジオテンシノージェン(AGT)・アンジオテンシン1型受容体(AT1)および2型受容体(AT2)の4種類のレニン・アンジオテンシン系遺伝子多型と無症候性脳血管障害との関連を分析し、AT1のA1166C多型がACであるもの、およびアンジオテンシノージェンのM235T多型がMTであるものは、それぞれAA・TTであるものに比べ有意に無症候性脳血管障害が進展していることを明らかにした。ACEおよびAT2の遺伝子多型は無症候性脳血管障害と一定の関連を示さなかった。 (2)Gタンパクβ3サブユニット(GNB3)遺伝子多型と無症候性脳血管障害との関連を分析し、GNB3のC825T多型は無症候性脳血管障害および血圧値と関連しないが、C825T多型がTTまたはCTであるものはCCであるものに比べ血清コレステロールおよび血清カリウム値が有意に高値あることを示した。 2.血圧値と脳血管障害との関連 (1)24時間自由行動下血圧が、喫煙・高脂血症・糖尿病などの危険因子と独立した脳血管障害予測因子であることを初めて示した。また、その予測能は、随時血圧に比べはるかに優れていた。 (2)家庭における自己測定血圧(家庭血圧)高値が、随時血圧と独立した脳血管障害のリスクであることを明らかにした。 (3)24時間自由行動下血圧において測定された夜間の血圧が無症候性脳血管障害の強い予測因子であることを示した。
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