研究課題/領域番号 |
10470103
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
嶋本 喬 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50143178)
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研究分担者 |
北村 明彦 大阪府立成人病センター, 集検I部, 診療主任
磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (50223053)
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キーワード | 頚動脈硬化 / 危険因子 / 血漿フィブリノーゲン / 単球 / 接着分子 |
研究概要 |
頚動脈硬化度の把握を、東北農村 377人、四国農村 439人、関東農村 350人、大阪近郊M地区 312人について実施した。総頚動脈体部の最大IMT肥厚の関連要因として、抽出された従来の危険因子として、最も強いものは高血圧、次いで高コレステロール血症、低HDL-血症、糖尿病、喫煙であった。循環器疾患発症の新しい危険因子として注目されている血漿フィブリノーゲンについて検討したところ、血漿フィブリノーゲン値と最大IMTとの間に関連が認められた。また、免疫能に関しては、血中の白血球数、とりわけ単球数と最大IMTとの間に関連が認められ、血中の単球がマクロファージに移行し、動脈硬化の進展につながる病態過程に符合する成績が得られた。さらに近年、動脈硬化の初期において、マクロファージが血管内皮細胞に接着し、侵入する過程を促進する接着分子の一つであるEセレクチンの値が、総頚動脈の最大IMT高値群において、低値群に比べ高かった。一方、血小板凝集能、血清インスリンと最大IMTとの間にはともに関連を認めなかった。以上より、わが国の住民を対象とした疫学調査から、動脈硬化の要因として、従来の循環器疾患の危険因子の他に、血漿フィブリノーゲン高値、血中単球数の高値、接着分子の高値が関与する可能性が示された。
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