研究課題/領域番号 |
10470106
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
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研究分担者 |
那須 民江 信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
市原 学 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90252238)
柴田 英治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90206128)
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キーワード | 1-ブロモプロパン / 生殖毒性 / 神経毒性 / 吸入曝露 / ラット / 精子 / 性周期 / GSH |
研究概要 |
1-ブロモプロパンの神経毒性の機序を明らかにするために、雄性ラットを用い1-ブロモプロパン200ppm、400ppm、800ppm、8時間/日、1週間曝露実験を行った.その結果、800ppm群で精嚢と前立腺重量の有意な減少、200ppm以上で量依存的な運動精子率の有意な減少が観察された.この結果は、1-ブロモプロパンが200ppm以上の亜急性曝露でも雄生殖器に対して毒性を有することを示した.大脳、小脳、脳幹、脊髄のNSH、PSH、GSH等の濃度及びCPK、GOT、LDHの活性を測定した.その結果、脊髄では200ppm以上で量依存的に有意なGSH量の増加、脳幹では200ppm以上で量依存的に有意なNSH量の減少、大脳では200ppm以上で量依存的に有意なCPK活性の低下が観察された.CPK活性は400ppm以上では脳幹と脊髄でも低下が認められた.これらの結果は、1-ブロモプロパン200ppm以上の亜急性曝露で量依存的な神経毒性を有し、SH基との反応がその原因である可能性を示した. 雌性ラットを用いて、1-ブロモプロパン200ppm、400ppm、800ppm、8時間/日、12週間曝露実験を行い、膣スメアの検査による性周期、卵巣及び子宮の重量及び病理組織学的検索等を実施した.その結果、200ppm以上で量依存的に有意な性周期の不規則化乃至停止が認められた.
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