モデル地域における1987年(1393人)、1998年(1386人)、1992年(1340人)、1993年(705人)および1997年(1141人)の凍結保存血清を用いて、ヘリコバクタ・ピロリ(HP)菌に対する抗Ig-G抗体の測定を行なった。なお、対象者の年齢は1987年は35歳以上であり、その他の年は30歳以上である。 HP抗体陽性率は、1987年74.5%、1988年67.2%、1992年61.5%、1993年65.7%および1997年71.5%であった。 1987年、1992年及び1997年のデータを用いて5年ごとの出生コホート別の年齢階級別HP抗体陽性率の推移をみてみると、1992年のHP抗体陽性率が1987年と1997年より低いことがすべての出生コホートで認められた。1987年と1997年のデータを用いて10年ごとの出生コホート別の年齢階級別HP抗体陽性率の推移をみてみると、加齢に伴ってHP抗体陽性率が減少する傾向がすべての出生コホートで認められた。 対象地域にお願いしていた1997年度の対象者の個人同定が2000年3月に判明する予定であるので、判明次第個人ベースの10年間のHP感染率の推移を検討していく予定である。
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