研究課題
我国は粒子状物質の機能性を高めるため、極細繊維や超粒子の研究開発が活発であり、特に繊維状物質に関しては、最も多種類の人造繊維を開発し、その実用化を推進し広く海外への供給も開始している。こうしたガラス繊維やウィスカ一をはじめとする機能的な繊維状物質では、生体影響の点で、類似の形状である石綿同様の毒性をもつことが懸命される。石綿については、その曝露による腫瘍発生を主とした健康影響が重大な問題となっている。このため、新規に開発・実用化される機能性繊維状物質ではその毒性を予知しうる検査システムの開発が必要となる。本研究では、グラスウール、ロックウール、セラミックファイバーの3種類の非晶質繊維とチタン酸カリウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、グラファイトウィスカーの結晶質繊維3種類の計6種類の機能性人造繊維を試験繊維とした。本年度は、1. 一連の実験に用いる標準試料のストックを作成した。2. 繊維の径・長さ(電顕)、不溶性(体液、pHの異なる緩衝液)、表面特性(構造、ヤータ電位)、化学的組成を分析した。3. 肺胞マクロクアージを用い、LDH、β-ガラクトシダーゼ、TNFを指標としたin vitroにおける細胞毒性評価を行った。4. グラスウール、ロジクウール、セラミックファイバー、チタン酸カリウムウィスカーを2mgずつ実験動物の気管内に注入し、3ケ月後の肺内残留状況、病理変化を観察した。
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