研究課題/領域番号 |
10470123
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 一彦 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80191394)
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研究分担者 |
篠原 聡 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90282657)
土肥 眞 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60222155)
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キーワード | 全身性自己免疫疾患 / 抗原特異的T細胞 / T細胞レセプター / 慢性関節リウマチ / 全身性エリテマトーデス / 標的抗原 / T細胞クローン |
研究概要 |
研究方法として用いたリンパ球集団の中で蓄積しているT細胞クローンを検出するシステムはつぎのようなものである。すなわち、リンパ球集団で発現しているT細胞レセプターのmRNAをRT-PCR法で増幅し、それを塩基配列の違いで電気泳動的に展開する SSCP(single strand conformation polymorphism)法で分析した。結果は、たとえば全身性エリテマトーデスの末梢血では、活動期にはCD4陽性のT細胞クローンの集積が認められたが、治療によりそれらは急速に消失することが判明した。CD8陽性クローンは非活動期にも存在するが、その数は活動期に比べて少なかった。胸膜および心膜の漿膜貯溜駅の分析では、両サンプルに共通のT細胞クローンの存在が明らかとなり、これらが病態形成に重要な役割を果たしていることが推測された。皮膚筋炎・多発筋炎での分析では、筋組織と間質性肺炎の病変に共通のT細胞クローンが存在することが明らかになった。標的抗原の分析では、可能性のある抗原として、核内蛋白の一つであるU1snRNPのA蛋白について、大腸菌にて可溶性蛋白を形成し、リンパ球刺激に適したリコンビナント抗原として使用可能であることが判明した。慢性関節リウマチの分析では、関節に集積しているT細胞クローンの一部はヒトII型コラーゲンを認識していることが判明した。
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