平成10年度に実施した研究は以下の通りである。 (1)ラット初代培養肝細胞に肝細胞増殖因子(HGF)を添加し、サイクリンD1遺伝子の発現誘導を確認した。(2)RT-PCR法を用いてラットサイクリンD1 cDNAをクローニングし、塩基配列を確認した。(3)(2)で確認したサイクリンD1 cDNAをプローブにしてラットgenomic DNAライブラリーをスクリーニングし、8個の陽性クローンを単離した。(4)これらのクローンの制限酵素マッピングを行い、5′flanking sequenceを含んだクローンを選択した。(5)このクローンに関して、全塩基配列と転写開始点の決定を行った。 現在、このクローンを用いて、サイクリンD1遺伝子の転写調節領域を決定するために、種々の長さの5′flanking sequenceをレポーター遺伝子の上流に挿入したプラスミドを組み換え中である。 一方、ラット初代培養肝細胞への電気遺伝子導入法の確立を目指し、エレクトリックセルジェネレーターを用いて種々の条件で検討しているが、約5%の細胞に遺伝子導入が可能となっている。
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