研究課題/領域番号 |
10470144
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
大槻 眞 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030916)
|
研究分担者 |
木原 康之 産業医科大学, 医学部, 助手 (80279330)
中村 早人 産業医科大学, 医学部, 助手 (90207902)
|
キーワード | OLETFラット / CCK-A受容体 / ノックアウトラット |
研究概要 |
OLETFラットのCCK-A受容体は遺伝子レベルの異常であり、CCKを介する機能は完全に消失していたことを再確認して報告した(J gastroenterol 33:702-709;1998)。 OLETFラットの膵臓において糖尿病が発症する以前の8週齢よりラ島内において線維化がみられ、16週齢以降は小葉内にも認められることが知られていた。組織学的にみられる6週齢より細胞外基質およびTGF-βのmRNAの増加が認められ、8週齢で最大となりその後20週齢まで漸減していた。TGF-βは細胞外基質の合成を促進し、分解を阻害することから、肺、肝および腎臓においての線維化に中心的役割を果たしていると考えられ、OLETFラットの膵臓においてもTGF-βがラ島および小葉内の線維化に関与していることが判明し、糖尿病を悪化させている可能性が考えられた(OLETFラット研究会記録集 第4巻:19-22 1998年)。 CCK-A受容体のノックアウトラットについては、マイクロインジェクション法をもちいたがラット受精卵はマウスのそれに比べて細胞質はもろくて傷つきやすく、DNA溶液の注入操作が困難であり、何度か試みたが失敗に終わってしまった。国内外に共同研究を申し込んだが確実に作製できる施設はみつけられなかった。そこでOLETFラットと同様にマウスにCCK-A受容体機能を廃絶したCCK-A受容体のドミナントネガティブのトランスジェニックマウスを作製することも同時に行うことにした。この方法ではCCK-A受容体ノックアウトマウスと異なり、導入遺伝子のプロモーターを膵臓のみで発現するようにデザインすることが可能である。そのことにより、OLETFラットの膵臓における病態を正確に解析することが可能になる。
|