研究課題/領域番号 |
10470155
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
東儀 英夫 岩手医科大学, 医学部, 教授 (90155490)
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研究分担者 |
長根 百合子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10306003)
高橋 智 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50216719)
阿部 隆志 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (30202667)
槍沢 公明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00244913)
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キーワード | 老化 / ニューロン / 転写調節領域 / メチルシトシン / RAGE |
研究概要 |
高度に分化し、非分裂細胞となったニューロンの老化において特に重要な因子のひとつは核DNAそのものの損傷・修飾に関する加齢変化である。DNAの修飾様式として重要なものにDNAメチル化がある。DNAのメチル化はDNA結合蛋白の結合を阻害する。とくにジーンの5′側上流領域がメチル化すると転写が抑制される。本研究の目的の一つはヒト剖検脳の皮質および線状体におけるDNAメチル化の加齢変化を、主に転写調節領域において検討することにある。平成10年度はヒト剖検脳頭頂葉皮質16例を用い、receptor for advanced glycation end products(RAGE)遺伝子プロモーター領域に関し、メチルシトシンの頻度、局在の加齢変化をbisulfite法とPCR増幅,ダイレクトシークエンシングにより明らかにした。検討領域(-326〜-36)における各症例のメチルシトシンの総数は加齢に伴い有意に減少していた。しかしこの領域に4か所存在するCpG配列の部分は全例でメチル基を有していた。コンセンサス配列に関する検討ではAP-2(-210〜-201),SP-1(-189〜-181)配列中のメチルシトシンが70歳以上の高齢者で有意に減少していた。RAGEプロモーター領域におけるメチルシトシンの減少は高齢者大脳皮質におけるRAGE発現増加を引き起こしている可能性がある。今後は、amyloid β-protein precursor,tau蛋白の遺伝子についても検討する予定である。
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