研究課題/領域番号 |
10470159
|
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
大平 敦彦 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 部長 (20101074)
|
研究分担者 |
時田 義人 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 研究員 (50291175)
青野 幸子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 主任研究員 (20231780)
|
キーワード | 脳 / 発生工学 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / プロテオグリカン / ニューログリカンC / コンドロイチン硫酸 / パートタイムプロテオグリカン |
研究概要 |
ニューログリカンC(NGC)は、私達がcDNAのクローニングに成功した神経特異的膜貫通型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンである。本研究の目的は、脳の機能発達におけるNGCの役割を、主に発生工学的手法で解明することである。本年度の進捗状況は次の通りである。 1.トランスジェニックマウスの作製 ラットNGC遺伝子をニューロフィラメントL鎖遺伝子の発現調節領域に組み込んだベクターを用いて、NGCが神経細胞表面に恒常的に発現するマウスの作製を試みた。遺伝子導入を確認したマウスの脳を材料として、抗ラットNGC抗体を用いたWestern blot分析を行ったが、ラットNGCは検出できなかった。そこで、プロモターを神経特異的遺伝子SCG10のプロモターに変更し、新たにトランスジェニックマウスを作製するためのベクターの作製に着手した。 2.ノックアウトマウスの作製 相同組み換えを起こしたES細胞をスクリーニングするためのPCRの条件が決定できたので、現在、ES細胞にターゲッティングベクターの導入を試みている。 3.NGCの発現様式の解析 マウス小脳の発達に伴うNGCの量的変動をWestern blot法により調べたところ、NGCは生後5日から15日にかけて減少し、小脳が成熟する生後20日にはほぼ成獣のレベルになった。驚くべきことに、発達期の小脳のNGCはコンドロイチン硫酸側鎖を結合したプロテオグリカン型であったが、成熟小脳のNGCは、大部分が非プロテオグリカン型であった。即ち、NGCはパートタイムプロテオグリカンであることがわかった。
|