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2001 年度 実績報告書

高次脳機能発達における神経特異プロテオグリカンNGCの発生工学的機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10470159
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

大平 敦彦  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 部長 (20101074)

研究分担者 時田 義人  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 研究員 (50291175)
青野 幸子  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 主任研究員 (20231780)
キーワードニューログリカンC / プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / 脳 / 神経細胞 / 樹状突起 / 軸索 / リン酸化
研究概要

ニューログリカンC(NGC)は、私達が発達期のラット脳において発見した新奇な膜貫通型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンである。本研究では、脳の神経回路形成におけるNGCの役割を、主に遺伝子工学的手法により明らかにすることを目指してきた。本年度の主な成果は次の通りである。
1.NGC遺伝子のノックアウトマウスの作製
相同組換えを起こしたES細胞のクローン3株のうち、1株から4系統のヘテロ接合体を得た。これらを交配し、ホモ接合体を得た。このターゲッティングベクターは、Cre-lox Pシステムで作製してあるため、ホモ接合体とCre-トランスジェニックマウスを交配することにより、NGC遺伝子についてのヘテロ接合体21個体を得た。現在、ヘテロ接合体を交配し、NGC遺伝子の完全欠損マウスの誕生を待っている。
2.NGCの神経細胞上での局在制御
NGCには、スプライシングによる3つのアイソフォームが存在する。NGC-IIIは、主成分であるNGC-Iの細胞内領域に、27個のアミノ酸残基からなるペプチドが押込された構造を持つ。このペプチド部分を認識する抗体をウサギで作製した。NGCの細胞外領域を認識する抗体で初代培養神経細胞を染色したところ、NGCは樹上突起上に多いことが明らかとなった。一方、NGC-IIIは、一部の神経細胞の軸索に局在していた。このことから、NGC-IIIの細胞内領域に存在する27個のアミノ酸残基からなるペプチドが、神経細胞上でのNGCの局在を制御しているものと思われる。
3.NGCのリン酸化
ラット胎仔脳由来の初代培養細胞を、[^<32>P]リン酸存在下で培養すると、NGC中のセリン残基が放射標識された。幼若ラット脳の膜画分を可溶化し、NGCを免疫沈降したところ、NGCをリン酸化する活性が共沈した。このキナーゼ活性は、カゼインキナーゼII様の特異性を持つことも明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Masaru Inatani et al.: "Inhibitory effects of neurocan and phosphacan on neurite outgrowth from retinal ganglion cells in culture"Investigative Ophthalmology & Visual Science. 42(8). 1930-1938 (2001)

  • [文献書誌] Masaru Inatani et al.: "Upregulated expression on N-syndecan, a transmembrane heparan sulfate proteoglycan, in differentiated neural stem cells"Brain Research. 920(1-2). 217-221 (2001)

  • [文献書誌] Sekiko Kurazono et al.: "Expression of brain specific chondroitin sulfate proteoglycans, neurocan and phosphacan, in the developing and adult ---"Brain Research. 898(1). 36-48 (2001)

  • [文献書誌] Motoi Okamoto et al.: "Developmentally-regulated expression of brain specific chondroitin sulfate proteoglycans, neurocan and ---"Cell and Tissue Research. 306(2). 217-229 (2001)

  • [文献書誌] 大平敦彦: "脳神経回路の形成・損傷・老化とプロテオグリカン"生化学. 73(6). 471-474 (2001)

  • [文献書誌] 大平敦彦: "脳の神経回路形成と損傷修復におけるニューロカンの機能"細胞工学. 20(8). 1101-1106 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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