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1998 年度 実績報告書

骨髄細胞から心筋細胞への分化誘導とその形態学的、電気生理学的、分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 10470170
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

小川 聡  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124940)

研究分担者 加藤 隆弘  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60276219)
高橋 暁行  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20265804)
佐野 元昭  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30265798)
小玉 博明  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70225457)
福田 恵一  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199227)
キーワードcardiomyocyte / differentiation / mnarrow stroma / development
研究概要

【目的】多分化能を有する骨髄間質細胞を分化誘導することにより心筋細胞に形質転換する方法を開発し、その電気生理学的、形態学的特徴および心筋特異的遺伝子発現の有無を明らかにする。【方法】マウス大腿骨より骨髄細胞を分離し、デキスター培養を行い骨髄間質細胞株を作成した。5-アザシチヂンにより分化誘導を行ない、顕微鏡下に自己拍動を開始した細胞を含むクローンをスクリーニングした。得られた細胞株(CMG細胞)に対して以下の解析を行った。(1)CMG細胞が自己拍動を開始し、筋管細胞を形成する渦程を顕微鏡下に観察した。抗ミオシン、抗ANP、抗デスミン抗体による免疫染色を行った。(2)ガラス微少電極により活動電位を記録した。(3)心筋、骨格筋を対照としてRT-PCR-Southern法により心筋特異的遺伝子の発現を観察した。【結果】(1)CMG細胞は分化誘導前には線維芽細胞様の形態を呈した。分化誘導後2週頃より自己拍動を開始し、近接する細胞と縦列して接着して筋管細胞を形成した。筋管細胞は最長で約3mmに達し、120-250/分で同期して収縮した。(2)免疫染色では抗ミオシン、抗ANP、抗デスミン抗体で濃染した。細胞は介在板を介して隣接する細胞と接着していた。多くは単核であったが一部は3-10の多核であった。(3)ガラス微少電極により測定した活動電位は洞結節細胞型とブルキンエ細胞型の2種類に大別された。活動電位の特徴は持続時間が長く、比較的浅い静止期電位を持ち、ベースメーカー細胞に見られる静止期電位の緩やかな脱分極を認めた。ブルキンエ細胞型では活動電位はPeak&Dome型を呈した。(4)心筋、CMG細飽ではCsx/Nkx2.5、GATA-4、TEF-1、ANP、BNPの発現を認めた。【結論】骨髄間質細胞に分化誘導を行ない、電気生理学的、形態学的特徴および特異的遺伝子発現から見てほぼ心筋細胞と考えられる細胞の単離に成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Makino S, Ogawa S,: "Cardiomyocytes can be generated from marrow stromal cells in vitro" The Journal of Clinical Investigation. 103. 697-705 (1999)

  • [文献書誌] Pan J, Ogawa S,: "Mechanical stretch activates the JAK/STAT pathway in rat cardiomyoc" Circulation Research. (in press). (1999)

  • [文献書誌] Murata M, Ogawa S: "Leukemia inhibitory factor, a potent cardiac hypertrophic cytokine, enhances L-type Ca2+ current and [Ca2+]i transient in rhodent cardiomyocytes." Journal of Molecular and Cellular Cardiology. 31. 237-245 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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