研究課題
本研究では循環動態の解析のため、複数の脈管の描出を主要な研究目的とした。本年度は、X線源に単色放射光を、撮像系に高感度型ハイビジョンカメラシステムとを利用することにより、微小管腔すなわち肝内微小胆管の可視化法を確立することを目的とした。この時低侵襲つまり造影剤は経静脈的な投与にて肝内の微小胆肝の造影を可能にすることも目的とした。また、実験動物での病的モデル作成が可能かどうかも検討した。まず、肝内微小胆管の可視化を試みた。被写体には家兎およびラットを用いた。造影剤にはヨードおよびガドリニウムを用いた。X線源にはシリコン結晶を用いてヨードおよびガドリニウムのK吸収端直上のエネルギーレベルに単色化した放射光を使用した。まず経静脈的に造影剤を投与し、この状態で肝内微小胆管の造影を行い、さらにコンピュータ上でデジタル画像処理を行った。その結果、直径200μm程度の微小胆管までも可視化できた。また、逆行性に胆管内に造影剤を注入した場合には、約100μm程度の肝内微小胆管まで可視化できた。実験動物での病的モデル作成に関しては、犬およびウサギを用いて、マイクロスフェアの冠動脈内および下肢動脈結紮により、慢性型の心不全および下肢虚血のモデル動物の作成を試みているところである。
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