研究課題/領域番号 |
10470173
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
土屋 滋 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30124605)
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研究分担者 |
久間木 悟 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (20311566)
大橋 芳之 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60250825)
峯岸 正好 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (20211592)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | アンチフェクション / 高CD3抗体 / pEFGFP |
研究概要 |
【目的】本研究では腫瘍細胞を特異的に認識する単クローン抗体にプラスミドベクターを結合させ、標的とする細胞に目的とする遺伝子を特異的に導入するアンチフェクシヨのシステムを開発するため、至適条件を決定する実験を行なった。 【方法】単クローン抗体として抗CD3抗体(OKT3)、プラスミドには緑色蛍光蛋白質(GFP)を発現させるpEGFPベクターを用いた。OKT3とpEGFPをベンゾキノンを用いて共有結合させ、抗体/プラスミド複合体と未反応の抗体あるいはプラスミドは蔗糖密度勾配を用いた比重遠心法により分離した。抗体/プラスミド複合体の存在はゲル電気泳動および抗マウスグロブリン抗体を用いたウエスタンブロット法により確認した。トランスフェクションはCD3を発現する白血病細胞株JurkatにOKT3/pEGFP複合体を反応させた後、GFPの発現をフローサイトメトリー法により検出した。 【結果および考察】ゲル電気泳動後のエチジウムブロマイド染色で、OKT3/pEGFP複合体においてプラスミド単独に比して移動度の変化が認められた。ウエスタンブロッティングでは、エチジウムブロマイド染色のバンドに一致して抗マウスグロブリン抗体との反応が確認された。以上よりOKT3/pEGFP複合体の生成が示されたが、OKT3/pEGFP複合体を用いたトランスフェクション後のGFPの発現はクロロキン存在下においても非存在下と同様に検出感度以下であり、発現は確認されなかった。細胞毒性の少ないリポゾーム非形成性脂質をさらに結合させると導入効率の改善がみられ、細胞毒性を有するクロロキンを用いる場合より優れている方法であることが判った。さらに高い効率の得られる条件設定が必要であるが、遺伝子導入法として有用であり、臨床応用に向けた開発が期待される。
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