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1998 年度 実績報告書

ウイルス性下痢症の病態、分子疫学と予防に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10470175
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

牛島 廣治  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10091068)

研究分担者 西尾 治  国立公衆衛生院, 衛生微生物学部, 室長(研究職) (40270631)
キーワード下痢症ウイルス / 酵素抗体法 / RT-PCR / 分子疫学 / ロタウイルス / アデノウイルス / アストロウイルス / カリシウイルス
研究概要

現在、非細菌性下痢症ウイルスの診断は、ロタウイルス、アデノウィルスではラテックス凝集法・酵素抗体法で、アストロウイルスおよびカリシウイルスはRT-PCRでスクリーニングを行っている。また型決定は型特異モノクローナル抗体を用いた酵素抗体法、型特異プライマーを用いたRT-PCRで行っている。我々はアストロウイルスの1-8型特異プライマーを開発した。またカリシウイルスウイルスにも新しいプライマーを作製した。また、アストロウイルスの簡易診断のためラテックス凝集法を開発したこれらを用いて国内の糞便検体からウイルス診断と分子疫学を行った。1)1984年から1997年の我が国7地域のロタウイルスの血清疫学では3756検体中1型が2649検体、2型が362検体、3型が232検体、4型が196検体であった。1型が優位である。1995年から1997年で9型も見出された。 2)アデノウイルスの型別をPCR産物の制限酵素による切断パターンから行い40、41型が我国の糞便から見出された。糞便検体のみならず、アデノウイルス角結膜炎の診断も可能となった3)わが国の下痢症ウイルスの月別の変動を見るとカリシウイルスが年の終わり(11-12月)に、ロタウイルスが(2月-3月)にピークが見られた。しかし10年前位は12月-2月を中心としており、理由は不明であるが変動が見られた。4)ロタウイルスワクチンが米国で使用されて来ているが、わが国に導入することの経済効果について舞鶴の2病院での検討を行った。この成績からわが国でもワクチンの導入に関しては米国と同等の状況にあることがわかった。5)カカオハスク(カカオの廃材)が抗ロタウイルス活性を有することがわかった。この作用はミックス感染のみならずポスト感染にも効果が見いだされた。6)アストロウイルスは1型が多かったが3、4型も僅かに見いだされた。4型に亜型を見いだした。7)これらの成果は感染症学会、小児感染症学会、日米ウイルス専門部会などで報告した。研究経費の備品ではPCRの機械が不足しているために来年度の購入を本年度とした。また-70℃の冷凍庫は必要ではあるが保管場所が手狭で来年度以降に場所を考えることとし今年度は見合わせた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Zhou Y, Ushijima H: "Serotypes of human rptaviruses in Tregions of Japan from 1984 to 1997." Kansensho Gakkai-Shi. 73・1. 35-42 (1999)

  • [文献書誌] Abe T, Ushijima H: "Viral infection-new concepts and treatment-infantele convulsion and viral infection" Brain & Development. 20・6. 392-393 (1998)

  • [文献書誌] Adikary AK, Ushijima H: "Distribution of VP4 genotype and VP7 serotype among Chinese children" Acta Paediatrica Japonica. 40・12. 641-643 (1998)

  • [文献書誌] Cao X-R, Ushijima H: "Genetic variation in the VP4 gene and the NSP4 gene of human rotavirus serotype3(G3 type)isolated in China and Japan" Microbiol.Immunol.43・2. 171-175 (1999)

  • [文献書誌] Matsui M, Ushijima H: "Detection of serotypes of astroviruses by reveyse transcription-polymerase chain reaction and homological of the types by the sesuencing." Microbiol.Immunol.42. 539-547 (1998)

  • [文献書誌] Schroder HC, Ushijima H: "Mechanisms of prion SC and HIV gp120 induced neuronal cell death." Neuro Toxicology. 68. 683-688 (1998)

  • [文献書誌] 牛島 廣治(分担): "内科臨床 リファレンスブック" 代表 井村 裕夫 (中山書店), 420中(339-348) (1998)

  • [文献書誌] 牛島 廣治(分担): "今日の治療指針" 代表 多賀須 幸男(医学書院), 1494(182-185) (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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