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1999 年度 実績報告書

ウイルス性下痢症の病態、分子疫学と予防に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10470175
研究機関東京大学

研究代表者

牛島 廣治  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10091068)

研究分担者 西尾 治  国立公衆衛生院, 衛生微生物学部, 室長(研究職) (40270631)
キーワードウイルス性下痢症 / ロタウイルス / 分子疫学 / カリシウイルス
研究概要

ウイルス性下痢症による死亡はわが国では少ないものの、乳幼児の個別的な感染、家族・学校・施設での集団感染、集団食中毒が相変わらず、あるいはむしろ多く認められている。本年度は(1)迅速診断としてラテックス凝集法をアストロウイルスに関して開発した。しかし1型に関して作成したために他の型に関する反応は弱かった。1型が臨床的には多くを占めるので使用できると考えた。同時に、現在我々が解析した遺伝子配列から、1-8型共通の合成ペプチドを作成し、家兎に免役した。これを用いて抗体を作成中である。合成ペプチドを用いて血清抗体の検出は可能であった。カリシウイルスに関しては2属のカプシド領域のcDNAを作りバキュロウイルスを用いて蛾細胞に発現を可能とした。これを精製し、抗体の作成、ラテックス化を行っている。(2)わが国の下痢症ウイルス分子疫学の10数年の研究の間で初めて9型が20%ぐらいを示した。東京・札幌では過半数の症例で9型を示した。9型は世界的に流行しているのでわが国にも反映してきていると思われる。またロタウイルス2型で酵素抗体法で型別できず遺伝子解析を行い変異が認められる株が見られた。現在この事に絞って広く調べている。(3)わが国の100床以上の入院施設をもつ病院に小児の下痢症での入院患者の実体、その中での原因ウイルスの検索、合併症を調査した。約400の回答が得られ下痢症での入院が10%を占めること、診断は1/3で決められ、ロタウイルスが多かった。下痢に痙攣、肝障害を伴うのは下痢症で入院する患者の1%、3%であった。(4)抗ロタウイルスとしてのシアル酸に類似する硫酸化コロミン酸が吸着阻害作用だけでなく、感染後数時間は感染阻止作用を有していることがわかった。(5)保育園にて週1回下痢症糞便を採取し、、現在まで1年ぐらい続いている。ロタウイルス、アデノウイルス、カリシウイルス、アストロウイルスそれぞれの集団感染がとらえられた。(6)腸管アデノウイルスをファイバーを中心に解析を行っている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 和泉桂子 牛島廣治: "1995年埼玉県南部で流行したノーウオーク関連ウイルス胃腸炎"臨床とウイルス. 27. 133-137 (1999)

  • [文献書誌] 顧艶紀 牛島廣治: "カカオおよび緑茶の抗ロタウイルス活性(in vitro assay)"臨床小児薬理学. 12. 69-69 (1999)

  • [文献書誌] Konishi K,Ushijima H: "Effect of sulfated colominic acid on enteric virus infection"Japanese J of Infection Dis. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Hachiya M,Ushijima H: "Genetic variation in the capsid region of human astrovirus in Japan"Microbiol Immunol. 43(11). 1067-1070 (1999)

  • [文献書誌] Sakamoto T,Ushijima H: "Molecular epidemiology of astrovirus in Japan from 1995 to 1998 by RFPCR"J Med Virol. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Zhou Y,Ushijima H: "Serotypes of human rotaviruses in 7 regions of Japan from 1984 to 1997"Kansensho Gakkkai Shi. 73. 35-42 (1999)

  • [文献書誌] 牛島廣治: "内科学II アデノウイルス"文光堂 黒川清編集(分担). 2233 (1999)

  • [文献書誌] 牛島廣治: "内科学II エンテロウイルス"文光堂 黒川清編集. 2233 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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