研究概要 |
TGF-β_1(1ng,5ngおよび10ng/匹)を胃管を用いて近交系マウスに経口投与し、小腸上皮間リンパ球(IEL)および粘膜固有層内リンパ球(LPL)のサイトカイン産生をELISPOT法にてまず検討した。TGF-β_1のいずれの投与量でもサイトカイン産生作用に関して共通の効果を示したため、TGF-β_1投与量は1ngを用いた。次に、TGF-β_1の単回投与および2,3,7日間連日投与との相違を検討したところ、2日間連日投与で十分な変化が観察された。そこで、以後の実験ではTGF-β_1 1ngの2日間連日投与を行った。その結果、C3H/HeNマウスではTGF-β_1の経口投与により、腸管でのIL-12産生は増大したがIL-1,IL-2,IL-10,interferon-γ(IFN-γ)では変化は認めなかった。DBA/2マウスの腸管では、TGF-β_1の経口投与により、IL-1,IL-2,IL-4,IFN-γ,IL-12のいずれも産生が増大した。TGF-β_1の経口投与により、骨髄、末梢血、脾細胞でのIL-4,IFN-γ産生は認められなかった。しかし、脾臓でのNK細胞活性は増大した。また、肝組織中のIFN-γのmRNA発現をin situ PCRにより検討したところ、TGF-β_1の経口投与によりIFN-γのmRNA発現増加が観察された。
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