研究課題/領域番号 |
10470180
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
石坂 重昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90159715)
|
研究分担者 |
斎藤 滋 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30175351)
吉川 正英 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50230701)
|
キーワード | Transforming growth factor-β / サイトカイン / 腸管 / Natural killer cells / 経口投与 / dendritic cells / ELISPOT / マウス |
研究概要 |
Transforming growth factor(TGF)-βをDBA/2マウスに経口投与すると、腸管内でのNK細胞活性が増大する機序を解析するため、腸管のdendritic cell(DC)に着目した。TGF-βを経口投与すると腸管上皮間DCの内DC1サブセットが増大した。このDC1はTh_1細胞を活性化して、NK細胞活性に関与すると考えられる。しかし、TGF-βをDCのin vitro培養にて直接添加すると、DC、NK細胞数は減少した。腸管上皮細胞とDCとを0.4μのポアーを有する膜で隔離培養して、TGF-βを上皮細胞上清へ加えると、DC1の数が増大したことより、TGF-βは腸管上皮細胞を活性化して、NK細胞活性に作用することが示唆された。それゆえ、TGF-βによる腸管上皮細胞からのNK細胞活性に関与するTNF-α、プロスタグランジン(PG)-E2、IL-15について検討した。TNF-α、PG-E2量はTGF-βにより変化しなかったが、TGF-βを経口投与することにより、3時間をピークに腸管上皮にIL-15が大量に、免疫染色により確認しえた。したがって、TGF-βの経口投与により腸管上皮細胞からのIL-15分泌増大が、NK細胞を直接活性化し、かつDC1も活性化することにより、Th_1細胞の活性によるIL-2、IL-12、IFN-γ産生の増大にて、さらにNK細胞活性を促進するものと考えられる。
|