研究課題/領域番号 |
10470181
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
浅野 喜造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40131180)
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研究分担者 |
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80288472)
須賀 定雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70257616)
辻 孝雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60171998)
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キーワード | VZV / マウスモデル / 経粘膜免疫 / 変胃易熱性下痢毒素 / 細胞障害性T細胞活性 |
研究概要 |
1. マウスに対するvaricella zoster virus(VZV)経鼻粘膜免疫 VZVのエンベロープ糖蛋白を大量精製し、経粘膜免疫に使用した。アジュバントとしては、毒素原性大腸菌の産生する易熱性下痢毒素(LT)の変異毒素を使用した。1回の鼻腔内投与、ならびに1週間間隔で3回の鼻腔内投与ではVZVに対する中和抗体価の上昇は認められなかったが、2ヶ月間の間欠投与でほぼ半数のマウスに中和抗体価の上昇を認め、6ヶ月間の間欠投与でほぼ全例に中和抗体価の上昇を確認した。さらに抗体価の上昇したマウス血清をWestern blottingで調べたところ、100KD前後に2本、45KDから80KDに特異的に反応する蛋白質バンドが確認された。 2. VZV特異的細胞性免疫能測定系の確立 細胞障害性T細胞(CTL)活性を非RIのシステムを使用して測定する系を確立するため、1.で精製した大量のVZV糖蛋白を抗原として実験を行った。まず水痘罹患の既往のある健康成人ならびに水痘既往のない小児より末梢血単核球を採取、それぞれ陽性、陰性コントロールとして使用した。Cell Proliferation Kit(Boehringer Manheim)を使用し、被検検体をVZV糖蛋白で刺激。ELISAリーダー(ABI)にて刺激後の各リンパ球活性化の程度を測定した。その結果、水痘既往のある成人と既往の無い小児では明らかな差が確認され本システムがVZVに対するCTL活性測定に応用可能であることを確認した。 3. 今後の計画 1.で示したように、変異LTを用いたVZVに対する経鼻免疫はマウスに良好な中和抗体活性を誘導することが確認された。今後2.で確立したVZVに対するCTL活性測定系を用いて、これらマウスでCTL活性が十分に誘導されているかを確認する。さらに、将来的にヒトに応用することを目標として変異LTの安全性試験を行ってゆく予定である。
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