| 研究概要 |
末梢血単球よりTNFαの産生能を検討した。冠状動脈瘤を有した川崎病羅患児においてTNFαの産生能が亢進していることを証明した(Kamizono S,Kato H,et al.Pediatr Int,1999)。血管生物学的手法を用いて血管内皮機能および血管内エコーを用いて血管壁の性状を検討した。冠状動脈瘤が消退した例においても血管内皮機能の低下がみられ、同部位の血管内超音波法により描出された壁構造は、成人の動脈硬化部位の壁構造に類似していた。今後、成人の動脈硬化病iマへの進行の可能性に対して注意深い経過観察の必要性が示唆された(Iemura M,Ishii M,Kato H et al.Heart 2000)。γグロブリンは川崎病に対して非常に有効な治療だが、その至適投与法について未だ確立されていない。2g/kgの1日投与法および400mg/kgの5日間の投与法について、治療効果および医療経済上の検討を行った。2g/kgの1日投与法の方が、冠状動脈障害の発生率は、400mg/kgの5日間〓フ投与法比し有意に低く、発熱期間、炎症反応の正常化までの期間および入院日数は有意に短縮された。また、総医療費は2g/kgの1日投与法が有意に低かった(Sato N,Kato H,et al.Pediatr Int,1999)。γグロブリン治療における反応性と細胞接着分子であるP-,E-,L-セレクチンとの関連を検討した。γグロブリン治療に抵抗性を示す症例群ではP-,E-セレクチン値が反応性が良い症例群に比し有意に上昇しており、治療抵抗性の症例で冠状動脈障害を生じた症例では、有意にE-セレクチン値が高値を示した。この結果を米国心臓学会で発表した。
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