研究課題/領域番号 |
10470193
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渋谷 均 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10014292)
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研究分担者 |
福田 穂積 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60282753)
吉村 亮一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40302864)
三浦 雅彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10272600)
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キーワード | restenosis / PCNA / smooth muscle cells / ionizing radiation |
研究概要 |
本年度は、前年度の研究結果に基づき、血管平滑筋細胞がX線照射されたときに起こるPCNA依存性DNA修復が、もう1つの塩基除去修復機構であるDNAポリメラーゼβ(polβ)とin vivoでどのように使い分けがなされているのかを探ることを目的として研究を進めた。このために、polβ遺伝子がノックアウトされたマウス胎児由来の細胞(polβ(-))と野生型マウス胎児由来の細胞(polβ(+))を用いて実験を行なった。両細胞共に、同様な線量-細胞生存率曲線、カスパーゼ-3活性、ミトコンドリア膜電位の変化を示し、従って電離放射線によって引き起こされる細胞死に至る過程においてpolβは、ほとんど寄与しないことが示された。さらに、両細胞共にPCNA依存性DNA修復は機能していることが確認されたので、2つの経路のうち、PCNA依存性経路の方が主経路になっている可能性が示唆された。血管平滑筋細胞は、電離放射線に対してアポトーシス抵抗性を示すので、同様の機構によって抗アポトーシス能が獲得されている可能性が考えられる。以上の結果は、Radiation Researchに受理され、現在印刷中である。
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