研究課題/領域番号 |
10470194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
利波 紀久 金沢大学, 医学部, 教授 (60019940)
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研究分担者 |
柴 和弘 アイソトープ総合センター, 助手 (40143929)
横山 邦彦 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (60230661)
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キーワード | アンチセンス / オリゴヌクレオチド / 放射性アイソトープ / ターゲッティング / がん遺伝子 |
研究概要 |
mRNAと相補的なDNAプローブを用い、in situ hybridizationと同様に特異的結合反応をin vivoで実現すれば、がん細胞の遺伝子レベルでの性状診断が非侵襲的に画像で可能となる。具体的にはアイソトープ(RI)標識アンチセンスオリゴヌクレオチド(DNA)を体内投与し、その放射能局在をガンマカメラで評価する。そのためにイメージングに適したRIをオリゴマーと安定に結合させる標識方法の検討中である。オリゴヌクレオチドのような小分子物質の血中放射能クリアランスは著しく早く、そのため腫瘍への絶対的集積量が制限されることが予測される。また、オリゴヌクレオチドの腫瘍組織への集積は、非特異的機序であり、初年度は、アンギオテンシン-II投与による昇圧操作およびキニナーゼ阻害剤(エナラプリル)による血管透過性亢進作用によりデリィバリィを向上させる方法を検討した。これまでの我々の検討から、至適投与量(アンギオテンシン-II2μg/kg/min、マレイン酸エナラプリル30μg)、至適昇圧時間(1時間)は決定された。その操作によって、腫瘍へ放射能は増加し、さらに、腫瘍内放射能分布がより均一となることが確認された。一方、この効果は、正常組織に変化を及ぼさなかった。以上の結果から、アンギオテンシン-IIによる短時間の昇圧操作およびキニナーゼ阻害剤投与により、正常組織に影響をおよぼすことなく腫瘍血行動態を改善可能であることが確認された。この操作により、放射能標識アンチセンスの正常組織分布を変えることなく、高い腫瘍集積を維持しえるものと考えられた。したがって、アンチオセンス分子を用いた画像診断法実現への展開が期待できる。
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