研究概要 |
画像による遺伝子診断を可能とするために,イメージングに適した金属核種のIn-111あるいはTc-99mでオリゴマーを安定に標識する方法の開発を試みた.本年度は,モデルのmdr 1アンチセンスオリゴヌクレオチドを合成し官能基を導入した. antisense S-oligo 15merを,通常のフォスフォアミダイト法による固相自動合成により得た.その際,5'末端は炭素鎖6個(C6)のスペーサーを介してチオール基を導入した.この化合物と過剰(10当量)のメアーズ試薬とを反応させた結果,生理的pH条件下で結合反応は進行し,目的物が得られた.精製ははODS逆相クロマトグラフィーにて行った. 従来の検討では,使用した5'端チオール修飾剤の活性が低く,化合物が十分得られないと判断したため,今回は,チオール基の導入をチオール定量試薬により確認したことで,反応系がスムーズに進行したと考えられた. この化合物と金属キレート剤との反応条件をさらに詳細に決定した上で,アイソトープ標識を行う予定である.
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